ツイート |
|
ニコンやキヤノンのミラーレスのページなどにも、利点として短いフランジバックやショートバックフォーカス(呼び名が違うだけで同じ)を採用することによって、光学的な自由度が上がり、光学性能を追求できるといったことが書かれています。
とはいえ、それって具体的にどういうことなの?ということも気になったので、私なりに、もう少し詳しく調べて、まとめてみました。
大雑把に言って、上の2点がフランジバックが短いメリットではないかと思います。
動画も作ってみました。あわせてごらんください
まずは、一眼レフのようにフランジバックが長い状態の図
この図は、このマウントで作れる限界の明るさのレンズを簡易的に描いたものです。
レンズからの光がマウントぎりぎりを通っているので、これ以上レンズを大口径化しても、マウントに光が当たってしまうので、これ以上明るくできない状態です |
つぎに同じレンズで、フランジバックを短くした場合は
レンズの部分もマウントの大きさも上の一眼レフの図と全く同じで、ただフランジバックだけ短くしてみました。
マウントとレンズから光の線の間に隙間があきます。それだけ余裕が生まれているため、この余裕分だけレンズを大口径化できる、つまりF値を小さく明るいレンズが作れるということになります。 同じ明るさでも、マウントぎりぎりを通るより余裕がある分マウントでけられる心配が少ないというメリットもあると思います。 |
これが、一つ目のメリットのより明るいレンズが作れるという理由です。
これも、図を中心に・・うまく言葉で説明できませんでした。
一眼レフのように、長いフランジバック44mmや46.5mmもあると、それより短い焦点距離のレンズも必要になります
ですが、この図のようにカメラの中にレンズを入れるわけにはいきません。そんなことをしたら、カメラもレンズも壊れてしまいます ですから、次の図のようにしてフランジバックより短い焦点距離のレンズを作っています。 |
|
レトロフォーカスや逆望遠と呼ばれる手法らしいのですが、レンズの前に凹レンズを置くことで、レンズの主点をセンサー側にずらすことができるので、マウントより内側にレンズを入れることなく、フランジバックより短い焦点距離のレンズを作ることができるというわけです
が見てわかるように、でかくなりますよね・・、だから一眼レフの広角レンズは大きいのです。 |
フランジバックが短いミラーレスの場合は
キヤノンなら20mm、ソニーなら18mm、ニコンなら16mmと非常に短いフランジバックのミラーレスであれば、大抵の広角レンズがマウントより外側におけるわけですから
素直に置けば、これだけ小型化してしまうというわけです。 |
もっとも、ウィキペディアのレトロフォーカスを調べてみると、以下の説明があったため、ミラーレスでは、レトロフォーカスの技法が不要になったかというと、そうでもないようです
ウィキペディアより
「2010年代においては、従来対称型のガウスタイプが主流であった標準画角においてもレトロフォーカスタイプを採用する例が見られる。これは、周辺まで完全な収差補正を行う場合、対称性の高いガウスタイプよりもレンズ長が長く、レンズ枚数を増やしやすいレトロフォーカスの方が設計上の自由度が高いためである」
これは一眼レフにおいて、フランジバックより長い焦点距離の標準レンズでもレトロフォーカスを採用する例があるということなので、フランジバックより長い焦点距離でもレトロフォーカスを採用するメリットがある場合もあるようですが
軽量化を重視すれば、レトロフォーカスに頼る必要が少ないので軽い広角レンズが作れる、またレトロフォーカスを採用するにしても、一眼レフほど強く主点を移動させる必要はないので、高画質化のためだけの設計で済むので、フルサイズミラーレスは広角に強いと考えて間違いないと思います。
フルサイズの場合とした理由
単純に画角の問題です、フォーサーズの場合は20mm付近のレンズでも35mm換算50mm〜40mmの画角になり、これは標準レンズ。APS-Cも同様で35mm換算30mm付近の画角のため、さすがに広角に強いとするには厳しいため
最初の大口径化が可能になるという点はともかく、レトロフォーカス云々については、望遠レンズでは関係がないように思えるため、望遠レンズは広角レンズほどフランジバックが短くなったメリットはないのかなぁとも思った次第です。
それにニコンのロードマップをみてもZレンズの望遠は70-200F2.8の一本だけしか計画されてないので、やはりメリットが大きいのは広角側って捉えていいのではないかと思います
おすすめ記事