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とその前に・・・、一眼レフやミラーレスは、コンパクトデジカメと違って至近距離での撮影(マクロ撮影)をするには、専用のマクロレンズに付け替えないとできないと言う話を、まれにですが聞くこともあるので、このことについて、ちょっとだけ書いてみたいと思います。
たしかに、一眼レフやミラーレスの交換レンズには、マクロレンズ(マイクロレンズ)と呼ばれる接写用のレンズが存在しますし、コンパクトデジカメはマクロ撮影が非常に手軽に出来るのは、事実なのですが、専用のレンズでなければ、小さい物を大きく写すことは出来ないという点については違うと言えます。
と言うのも、多くの標準ズームレンズは、最大撮影倍率0.2倍〜0.25倍程度の簡易マクロ機能が備わっているので、ある程度、小さい物を大きく写すことが可能です。(最大撮影倍率については、下の方で説明します。)
実際に、作例を見てみないと、分かりにくいと思いますので、一般的なAPS-Cサイズのデジタル一眼レフ+標準ズームレンズ(0.25倍)で10円玉を撮影すると、大体このくらいの割合で写ります。
D1H+標準ズームレンズ |
ちなみに、コンパクトデジカメのF200EXR(最短撮影距離3cm)では、こんな感じになります
F200EXR |
コンパクトデジカメよりは、10円玉の割合は小さい物の十分な大きさで写せるのがわかると思います。ただ、至近距離での撮影は非常に被写界深度が浅くなり、コンデジの写り方とは癖が違うので、その点は注意が必要ですが・・
じゃぁ、一眼レフのマクロレンズで10円玉を撮ったらどうなるのよ、と思った人もおられると思うので、マクロレンズ(最大撮影倍率1倍)で撮った物も乗せておきます。
D1H+マクロレンズ |
どーんと・・ここまで来ると、コンデジのマクロモードや、標準ズームレンズの簡易マクロとは写る世界が違う感じですね
あと、一応 一般的なズームレンズは、遠い物をを写す時に一番性能が出るようにチューニングされ、マクロレンズは、最大撮影倍率付近(至近距離)で一番性能が出るようにチューニングされているとも聞きます。ただ基本は、どの撮影距離でも安定した画質を目指して設計されているはずなので、あくまで、傾向として・・と言うことだと思います。
ところで、さっきから撮影倍率○倍みたいなことを書いてますが、これについて説明したいと思います。というか、やっと本題ですね
残念なことに、コンパクトデジカメの場合、最大撮影倍率は公表されてないことが多いのですが、小さい物を大きく撮りたい場合、最短撮影距離(どのくらい寄れるか)よりも最大撮影倍率の方を見た方がよいのです
というのも、広角で数センチまで寄るよりも、望遠で十数cmぐらいの距離で撮った方が、もっと大きく撮れるなんてことはざらにあるからです。まぁ、難しいことは考えずに
最大撮影倍率が大きいほど、より大きく撮れるレンズだとと考えて差し支えないと思います。
これで説明終わりとしたら、石が飛んできそうなので、ちゃんと説明します
そもそも、最大撮影倍率というのがなにを表しているのかという点ですが、最大撮影倍率1倍と書かれている場合は被写体が一番大きく写る状態で撮影した場合、センサーに描写される大きさと写す物の大きさが大体同じと言う意味となります。
撮影倍率0.25倍(1:4倍)の場合は、センサーに描写される大きさは写す物の大きさの25%の大きさにという意味となります。
つまり最大撮影倍率1倍というのは写真として見る大きさ(モニター上やプリントした状態)が実物と同じ大きさという意味ではないのです
見る大きさは、プリントする紙やモニターが大きければ大きいほど大きいサイズになりますし、小さければ小さくなりますから、4インチの画面のスマートフォンと13インチの画面のノートPCで同じ写真を見れば、見た目の大きさはがらっと変わるのは当然ですよね、なので、センサーに投影される大きさを、表す形となっているわけです
図にすると、このような感じになります
このような感じで、最大撮影倍率に注目することで、ある程度どのくらいの大きさまで撮影可能かを想像することが出来るわけです。
最大撮影倍率の比較で、どこまで大きく写せるかを比較するには、実は条件がひとつあります、それは同じセンサーサイズであることです。
同じカメラにつけられる AというレンズとBというレンズ、どっちが大きく写せるかなというようなときは、純粋に、最大撮影倍率を比べればいいのですが
フォーサーズ用のレンズとAPS-C用のレンズとフルサイズ用のレンズを比較して、どれが一番大きく写せるかというよな比較をする場合にはフォーマットサイズも考慮する必要があります。ここではAPS-Cとフルサイズで同じ撮影倍率で投影した場合を図にしました。(同じレンズで、カメラだけAPS-Cとフルサイズ機を入れ替えたらどうなるかと読み替えてもOKです)
実際の写真にもしてみました
35mmフルサイズで、撮影倍率約1倍の写真 |
APS-Cで、撮影倍率約1倍の写真 |
このように同じ撮影倍率でもセンサーサイズが異なれば、大きく結果が異なってくるので実際に、写真にどのくらいの大きさで収まるかを想像する場合などでは、センサーサイズも重要になってきます
ちなみに、35mm換算焦点距離の倍率 (APS-Cなら1.5 フォーサーズなら2 CXなら2.7)を最大撮影倍率にかけると、35mm換算の最大撮影倍率になるので単純にどっちが大きく撮れるかを比較する場合は、35mm換算にして比較するとわかりやすくなります。
まぁ、極端な話、小さい物をとにかく大きく撮りたいならマクロレンズを選んでおけば、間違いないので・・・撮影倍率を気にするとなると、普段使いのレンズで小さい花とかも大きく撮りたいことも多いから出来るだけ、大きく撮れればいいなー、と言うようなことになってくると思うので、そのくらいでしたら、最初に書いたとおり難しい話は置いておいて撮影倍率が大きいほど、大きく撮れる、これだけ覚えておけば、大丈夫だと思います。 ←結局最初に戻る
あとは、最大撮影倍率の意味を覚えておけば、例えば手作りのビーズ細工を大きく撮りたいけど、実際どのくらいの大きさで写るのかなーとか考えたときとかに、ビーズ細工の大きさを測って、センサーサイズ(こことかで)とほぼ同じ大きさの枠線を引いてビーズ細工の大きさ×最大撮影倍率の大きさの円などを描けば、購入前に具体的にどのくらいの大きさで写るかの想像するのに使えると思います
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