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キヤノンEOS 7Dの視野率問題について

知り合いに、ぜひ解説ページと頼まれたのでユーザーでもないのに、書いてみたいと思います(汗

EOS 7Dの視野率問題というのは、あるカメラ雑誌でファインダーの実際の視野率を調べた結果、視野率 約100%とうたっている、EOS 7Dの視野率が97.2%であったということで、最近大騒ぎになっているようです

そもそも、視野率ってなに?

視野率とは、実際に写る画像の中でファインダーの見えている範囲を指しています、下の図では、一般的な一眼レフの視野率(上下左右95%)を緑で表してます、つまりファインダーで見るのは緑の範囲だが、写るのはこの図全部ということになります

もし、緑の外側に鞄のとっての部分が入ってたりすると、実際の写真を見て・・・orzとなることもたまにあるため、この緑が大きく、ファインダーから見えない範囲が少ない部分が少ないほど、より安心して撮れるということになります

緑の部分と実際に写る部分が、ほぼ同じ程度(約100%)という機種も存在するわけです、で緑の部分と写る部分がほぼ同じカメラ(視野率約100%)ですと言ってるカメラの一つが、今回、大騒ぎになってる EOS 7D なのです

緑の部分と写ってる部分がほぼ同じになる、視野率約100%ですと言っていたはずのEOS 7Dがじつは緑の部分が97.2%だったため、約100%といってるのに97%とかないわー、だまされたっとか、約とか書いて逃げてるという気持ちはかなりわかります

ただ、完全な視野率100%は光学ファインダーでは存在しないのも事実です
(オーダーメイドで一品ずつ高精度に作り込めばあるかも知れませんが、大量生産の工業製品では無理でしょう)

すこし横からのぞいたりすると、ちょっと見える範囲が変わったりしますよね、つまり完全な100%の視野率というのは非常に難しいのです、多少の誤差はあるので他の機種の視野率約100%と書かれているファインダーも100%というものは存在しませんので、その分はさっぴいて見る必要があります

ちなみに、同じく視野率100%をうたっている機種も、同じ雑誌でテストされてましたが

Nikon D300s が 98.2 %
ペンタックス K-7 が 99.9%

となっていて、完全な100%ではないわけです、(K-7の99.9%は、とんでもなく優秀な数値です、これは、K-7には特殊なギミックがあるためなんです)

では、何を持って視野率100%とするかですが、基準として上下左右ともに視野率99%+-1%が一つの基準となってます
(なぜ、100%なのに基準値が99%かというと視野率100%を超えると、見えてる部分が写らないという大きい問題が生じるため、視野率100%超えないように作る必要があるためです)

なぜ、視野率約100%が難しいか

視野率約100%にするためには、極めて高い加工精度を必要とするためなのです、全ての条件を知ってるわけではないのですが・・少なくとも私がわかる範囲でも

センサーとファインダーの位置関係にわずかな狂いもあってはならない、ほぼ100%なので、余裕がほとんどない状態なのでわずかな狂いでも見えてるはずの部分が写らないなどの問題が起きたりします、これだけでも大変な加工精度が必要ですが

一眼レフはミラー構造を持っているため、ミラーの角度の精度もきわめて重要になります、下の図は赤と青の線がミラー、緑と黄色の線が光の通るコースです、ほんのわずかに角度がずれただけでも描写する位置が大きくずれてしまいます

取り付けミラーの角度の精度も
極めて高い加工精度を要求される
ミラー部分は、固定ではなく
可動する部分であることも
難易度を高めてる要因でしょう

こう言ったことから、100%の視野率はほぼ不可能といえ、約100%と言う状態でも非常に高い加工精度を要求するため、一眼レフの視野率約100%のファインダーを持つ機種が少ないのです

ちなみに、K-7の結果がよいのは、加工精度がずば抜けて高いわけではなかったりします、K-7は手ぶれ補正をイメージセンサーを動かして行う方式をとっているためイメージセンサーも可動なのを利用して、作り終えて検査をしたときにセンサーとファインダーのずれを、カメラ本体にメモリーし、ファインダーの位置にぴったりと合うように、イメージセンサーを動かしてしまうと言う、ある意味コロンブスのたまご的な発想で作られているため、とてつもなく優秀な数値になっています

(その話を聞いたときは、そんな方法が!!!となりました
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/20091224_338991.html)

で、問題のEOS 7Dの97.2%の視野率というのは、約100%としてどうなのよ?

で、解説を書いてほしいと言われて書き始めたのですが、実は大きい問題が発生してます、
そもそも問題の発端となった、デジタルカメラマガジン11月号の記事を読んでいないため、97.2%という数値が面積比なのか縦横の長さ比なのということが、まったくわからない状態なのです・・これは困りました、というのも、面積比か長さ比かで、97.2%の持つ意味が全く変わってきてしまいます。

100%の基準としては、上下・左右ともに99%+-1%という基準は、長さ比ということになります(上下・左右と分けてることからも明らかです)横98%縦98%まで入っていれば、基準内100×100=10000が本当の100%だとして、98×98=9604でも、ぎりぎり基準内ということになります

つまり長さ比98%の場合、面積比の視野率は96.04%となるため面積比の視野率ならば、97.2%は基準は満たせていることになり、なにも問題視することのないファインダー視野率だと言えます

もしこれが、縦横の長さ比で97.2%だったという話になると、これは完全に基準から外れるため、これを視野率約100%として売っていたというのは非常に大きな問題と言っていい状態です、とはいえ面積比なのか、長さ比なのかわからない以上

面積比で97.2%なら、基準内(上下・左右98.59%)であり無問題、気にする必要はなしということになります。

長さ比で97.2%なら、カタログに偽りあり、キヤノン反省および対応してください!

と言うことでまとめておきたいと思います(汗

で、そもそも、実用に問題はあるのか

この点については全く問題ないですし、この問題についてあまり神経質になるよりも、むしろ7Dを使って、ガンガン撮影を楽しんだ方がいいと思うのですが、どうでしょうか?

とは言っても、どうしても気になると言う方もやはりおられると思います、これは、ネットで調べて知った情報なので確実性は低いのですがキヤノンのサービスセンターに持ち込めば、視野率のテストをして社内基準値を下回っていた場合は、交換に応じるという情報も得てますのでキヤノンできちんとテストしてもらうのもよいかも知れません

個人的には EOS 7Dもよいカメラだと思いますし、どんどん撮影を楽しんでみてください

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