ツイート |
|
iPhone11以前からついていた機能ではあるものの、明暗差の激しい場所でもバランスの良い明るさで写すために、スマートHDRという機能が標準でオンになっていますが、このスマートHDRの効果や他のカメラ(Nikon Z7)のHDRとの比較もしてみました。
iPhoneのHDRのすごさは、その効果というよりも必要な時に、HDRに切り替える設定を必要としないだけでなく、HDRモードに切り替わったことすら感じさせないという点にあるので、そこに関しては画像比較ではだせないため、これだけの画像を設定なしでだせるんだという点も加えてみてください
撮影感覚は、動画のほうがわかりやすいので、以下内容もふくめた動画を作りました。
HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称で、明るさの差が大きいシーンでも、白飛び、黒つぶれをできるだけ小さくできる技法でした。
その方法は、明るいところに露光量を合わせた、「暗い写真」と暗いところに露光量を合わせた「明るい写真」の2枚を合成することで、明るいところは白飛びせず、暗いところは明るい写真ができるというものです。
ニコン Z7のHDRモードでは、元となる「暗い写真」と「明るい写真」も保存されるので、その写真をサンプルします
明るいところにあわせたもの | 暗いところに合わせたもの |
左の写真は窓の外の青空やカーテンがしっかり写っていますが、花が真っ黒につぶれてしまっています、右の写真は花は写ってますが、窓の外は真っ白に飛んでしまっています。HDRではこの2枚を重ねることで花は右の写真を窓やカーテンは左の写真になるように合成します。
合成した結果がこちらです。
これがHDR撮影とよばれるものですが、2枚の写真を合成する都合上、手持ちだとわずかな位置のずれで、画像が2重になったりするため、本来は「三脚が推奨」される技法なのです。
ですが、今回はすべて手持ちで比較しています。というのもiPhoneは手持ちで撮っていて、HDRと感じさせなかった点、明らかに2重になってみえる写真がない点からも手持ちでも十分な精度を持つHDRだというのは、今までの撮影で実感していたためです。
なので、いままで気が付かずにHDRで撮影してたというのは、ほんとにすごいことだと思います。iPhoneの写真一枚も出さずにこれで、言いたいことは終わってしまったのですが・・
こうなると興味もあって、ではHDRモードを備えてカメラ単体でHDR撮影ができるNikonZ7と比較してみよう、あとZ7は元素材もわざわざ残してくれているので、それをもとに Adobe lightroomでHDR合成(自動設定)も含めた三つで部分拡大を入れつつ比較してみました。
と、その前に、HDRを使わずに撮影をしたiPhone11とNikon Z7の写真を最初に出しておきます。それぞれのHDRの写真と比べてHDRの効果も見てみてください
HDRをオフにして撮影
iPhone | Nikon Z7 |
HDRをオフにした時の結果は、iPhoneは、窓の外やカーテンが白く飛んでいます。Z7は花がかなり暗く写っている状態です。暗所重視のiPhoneとハイライト重視のZ7という感じです(まるで、HDRの元素材のようだ・・と思ったのは内緒)
改めて、HDRをオンにした状態で比較してみます
iPhone11 HDR(全体写真でフルデータをDL) | |
造花のバラの布の縫い目などがつぶれているなど、暗所の解像度の低下がありました、また枝の部分は二重に写っているのも確認できたが、大きなPC用モニターでみて確認できるレベル、これだけ強い明暗差のあるシーンで、これだけ写るのは非常に優秀な結果です。また、写真の明るさも見た目の印象にかなり近い
撮影感覚も普通の撮影と全く違いがなくHDR撮影になってると感じさせないのも好印象、iPhoneは明暗差につよいカメラだと言ってしまっていいのではないかと思います
Nikon Z7 HDR(全体写真でフルデータをDL) | |
Z7のマニュアルには「撮影時は、三脚をお使いいただくことをおすすめします。」とはっきり書かれてあるため、手持ちでHDRを行った今回のテストでは、もっと派手に2重になると思っていたので、この結果は正直驚きました
じっくりみると造花のバラの花びらの後ろにある葉をみると2重になっているのがわかります、枝のほうは被写界深度外でぼけているので、二重になっているのかもしれないが、気にならなかった。
また、バラの花びらをみると布の縫い目などもつぶれずに、iPhone11と違い暗所の解像度もしっかりと保たれている印象、全体的な明るさはiPhone11と同じく自然な雰囲気のHDRでした。
これだけみると、Nikon Z7のHDRは、非常に素晴らしい結果なのですが、2枚連続で撮りましたというのをしっかり感じる撮影感覚で、普通の撮影感覚とは異なるため、iPhone11のような常時設定というのは現実的ではなく、必要に応じて「自分で設定」という点は避けられません。
Nikon Z7のデータをlightroom上でHDR(全体写真でフルデータをDL) | |
Nikon Z7のHDRモードで撮影した際にできる、元ファイル2枚を利用して、lightroom上でHDR合成(デフォルト設定)で行ったものです。
暗所の解像度もしっかりあり、しかもZ7のカメラ内HDRと異なり葉の部分も二重になっていないという点で、より高精度に画像の重ね合わせに成功していると言えそうです
肉眼でも花は暗めに見えるような極端な輝度差がある環境だったので、ちょっと不自然とも言えますが、見た瞬間のきれいさは、個人的にはlightroomによる処理かなと感じました
これがアドビマジックってやつか!という印象
最終結果としては、ほんとにすごいのですが、PCに取り込んでさらに、lightroom上で素材ファイルを二つ選択してHDR化をするという手間がかかります
iPhoneは、設定とかいろいろすることなく、これだけの撮影を明暗差のあるシーンでは自動で行っているという点が強みだと言えそうです
純粋な画質なら、やはりミラーレスのほうが強いのは、いってしまえば当たり前ではありますし・・
スマホのカメラの進化ほんとにすごいものがあります
おすすめ記事