ツイート |
|
一般的に使われているフィルムです。特徴としては、だいたいプリントできる範囲の2倍ぐらいの広さの明暗差を記録できるという、きわめて広いラチチュード(露出の許容範囲)を持っているという特徴があります。ちょうど、こんな感じです。
ネガフィルムのラチチュード | |||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
プリント範囲 |
もちろんこのままでは灰色から、灰色ですから、プリント範囲で一番暗いところが、黒、明るいところが白になるようにしてプリントします。
ネガの方にはプリントされてる範囲の外側にもしっかり情報があるので、多少の露出の修正なんかは、プリント段階で処理できます。たとえば、2〜6の範囲のプリントでちょうどいい、明るさにプリントできるネガが、本来の適正な露出だとします。しかし、露出に少し失敗して、オーバー目になってしまっても、一番明るいところが 9 のところ以内であれば、ラチチュード内に収まってますよね、つまりデーターがネガに残ってるので、プリントする際に5を黒9を白としてプリントすれば、適正露出と変わらない、プリント結果が得られるのです。逆に、アンダーになってしまっても、黒が0以内に収まりさえすれば、補正可能というわけです、これこそが、ネガの強みです
この強みを思いっきりいかしたカメラが、"写るんです" と言ったレンズ付きフィルムです。写るんですの場合、シャッター速度も絞りも固定、つまり露出は固定されてるにも関わらず、晴天でも、陰でも、曇りでも 写りますよね ぜーーんぶ、ネガフィルムの補正で直せてるんです、だから 写るんです ね
ネガの弱点
ところが、この広大なラチチュードは、強みと同時に諸刃の剣でもあるのです。なぜ、これが諸刃の剣かというと、プリント段階でかなりのことが、補正できるため、店によって、全然違う写真になる可能性がきわめて高いのです。
たとえば、ウエディングドレスの模様がきれいだったので、それをプリントしてほしかったのに
いざ、プリントされた写真を見ると、ウエディングドレスが真っ白に飛んでいて・・がっくりと言うことも、ホントにあり得るのです。また、色の補正範囲も非常に広い範囲でできるため、プリントしたら、どうも色が今ひとつ と言うことも起きうります。
つまり、本当は撮影自体には問題のない写真なのに、プリント結果を見て、自分が失敗したと思いこんでしまうことだって、十分あり得ることなのです、ですから、色がちょっと変だな と言うような場合は、お店を変えてみるのも手です、つまり、ネガからプリントする場合は、信用できるお店に出すというのは、プリント結果を大きく左右しますから、結構大事なことなんです。
また、焼き増しするときに、空の色をもっと出してなど注文するのもいい方法ですよ、もちろん、ホントにネガの許容量を越えるような、大失敗撮影の場合は、腕のいい人でも、修正は不可能ですから、なんどお店を変えてもだめな場合は、カメラの故障かか自分の撮影方法も疑いましょうね (^_^;;
もっとも、最近のカメラは、壊れてない限りは、まずネガの許容量を超えるような動きはしないはずですが(オートでは手に負えないような特殊な被写体 星とか花火は別として)
ネガフィルムに対して、リバーサルフィルム 又はポジフィルム(スライドフィルム)と言われているフィルムがあります。
リバーサルの特徴は、まず現像に出すと、フィルムそのものがすでに私たちが見てるようなカラーになっています。また、カメラ屋に現像に出すと、ふつうは純粋に現像のみなので、サービスプリントはついてきません(もっとも、リバーサルの場合、なくても楽しめますが)、印画紙にプリントする際は、別に頼むのがふつう、(ネガで言う焼き増しに近い感覚)と言うあたりが大きな違いとして感じられると思います。
リバーサルフィルム | ネガフィルム |
こちらがリバーサルフィルムです。 見慣れないフィルムかもしれませんが フィルムの時点で、ふつうの色になってます。 |
おなじみ、ネガフィルムです。 こっちは見慣れてると思います |
リバーサルの場合 | |||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | |
プリント範囲 |
ちょうど、こんな感じですから、ちょっとした、アンダー・オーバーでも、違いがはっきりとわかってしまいます。ネガでなんとか救えるかどうか、というぐらいの大きな露出失敗になると、リバーサルでは、真っ白か真っ黒と言っていいでしょう、と言うことで、リバーサルの"写るんです"はありません というより、できるはずがありません
じゃあ、ネガの方がちょっとぐらい失敗しても簡単に補正できるし楽でいい、という考え方も、もちろんありですが、ちょっと待ってください、それで結論だと、あまりにリバーサルがかわいそうです ^_^;
リバーサルには、ネガにはない利点があります。なんと言っても、ネガとは比べ物にならない、高画質!!の一言につきます。色の鮮やかさなどは、はっきり言って写りはネガの比ではありません、また、透過光(リバーサルフィルムは、透かしてみるので)でみる写真は、ネガのプリントとはまた違った、何とも言えない美しさがあります。この美しさが、写真の好きな方がリバーサルを好む理由の一つだと思ってます。
また、リバーサルの場合、仕上がりがころころと変わらないという利点もあります。この利点は、プロの方が好む理由になっているようです(プロの場合、色や明るさがころころ変わられたら、仕事ですから、たまらないでしょうし)
リバーサルは露出がシビアとは言っても、最近のカメラの性能はすごくいいので、カメラ任せ(オート)でも、ほとんど適正露出に近い状態で撮れるため、カメラ任せでも、リバーサルを楽しめます。ぜひ、お手持ちのカメラの性能を信じて、一回試してみてください、自分の腕が上がったのかと勘違いするほどきれいな写真が撮れますよ ^_^;
ついでに露出を勉強するのにも便利(だった?)です。
使いやすさのネガと画質のリバーサル
ネガは失敗しても、プリント段階で修正できるから、失敗の許されない撮影に向いてると言えると思いますし、リバーサルは、色鮮やかで美しい写りなので、趣味で撮影するのに向いてるのではないでしょうか?
番外デジタルカメラの露出
デジタルカメラの露出、意外と思われる人もいるかもしれませんが、実はリバーサル並みにシビアなんですよ(それ以上だ、と言う人もいます。)
おすすめ記事