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デジタルカメラに興味を持ち始めると、デジタル一眼レフとコンパクトデジカメの違いってなんだろう?って考えることもあると思います
うちのサイトでは、その違いを関係する項目ごとにちょくちょくと書いてたのですが、さすがに、分散していてわかりにくい部分があったと感じたので一つにまとめた物を作りました
2018年更新:このページを作った時と状況が変わってきたため、内容を一部書き換えています。特にミラーレスに関しては、かなりの変化があったためこのページにまとめることができました。
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
AF速度 | 速い | 速い | 速い〜遅い | 速い〜遅い |
デジタル一眼レフは、専用のAFセンサーを積んでいて、このセンサーは、ピントが手前に、または奥に、どのくらいずれているのかがわかるため、非常に素早くピントを合わせることが可能で動くものにピントを合わせるが得意
ミラーレスは、現行機種はほとんどが、像面位相差AFもしくは空間認識AFとよばれる、高速なAFが可能な方式を採用しているため、AFが遅いミラーレスは初期の物だけになりました。ただし、動き物に関してはごく一部の機種を除くと、まだ一眼レフには及ばないようです。あと数年もすれば、全体を見ても同等になると思います。
コンパクトデジカメは価格の幅が広いことなどもあり、遅いものと速いものが存在しています。
スマホも、最近は像面位相差AFを搭載したものもあり、像面位相差AFを持つものは高速なAFが可能です。たとえば、アップル社のiPhone7以降は像面位相差をもつセンサー使ってます。
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
動体のゆがみ | 小さい | 小さい | ない〜大きい | 大きい |
シャッター方式 | フォーカルプレーン | フォーカルプレーン 電子シャッター |
レンズシャッター 電子シャッター |
電子シャッター |
ローリングシャッター歪み(こんにゃく現象と呼ぶ人もいる)は、電子シャッターのみで撮影するスマホでは発生しやすく、歪みも大きなものとなります。*スマホの大きさに機械式のシャッターを入れるのはほぼ不可能に近い
デジタル一眼レフは、フォーカルプレーンシャッターとよばれる、機械式のシャッターを使っています。電子シャッターのような大きなゆがみは発生しないものの、原理的にはローリングシャッター歪みは発生する方式のため、歪みは0ではなく小さいとなります。
ミラーレスも、デジタル一眼レフと同様のフォーカルプレーン方式を採用しているため、ほとんどローリングシャッター歪みは気にならないレベルになります。
コンパクトデジカメは、電子シャッターのみの機種とレンズシャッターを搭載したものが存在します。電子シャッターのみの機種は、スマホと同じです。一方、レンズシャッターを搭載した機種は原理的にローリングシャッター歪みは発生しません。ただレンズシャッターは高速シャッターが苦手な方式なので、高速シャッターは電子シャッターで行う場合は歪みが発生します
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
レンズ | 状況・好みに合わせて 交換できる |
状況・好みに合わせて 交換できる |
一部の機種を除き ズームレンズ・交換不可 |
単焦点レンズ・交換不可 ズームはデジタルズーム |
単焦点レンズは、画角を変化させることは出来ませんが、ズームレンズよりシャープであったり収差が少なかったりと高画質でズームレンズより小さいレンズが多いのが特徴となります、なぜ単焦点の方が高画質かというと、設計を一つの画角に特化できるためです。(画角についてはこちらを)
一眼レフでは、状況や好みに応じて多種多様なレンズから好きなレンズを選ぶことが可能なのが大きな特徴となります、例えば、小型で手軽な標準3倍ズーム・一本で広角から望遠までカバーできる高倍率ズームレンズ・高画質で明るい高級ズーム・非常に高画質な単焦点レンズ、マクロレンズやシフトレンズなど特殊なレンズなどもあり、自分の撮影目的や好みに応じて柔軟に撮影システムを構築できるのが大きな強みです。
ミラーレスも、一眼レフと同様の多種多様なレンズから柔軟に撮影システムが構築できるのが強みです。
コンパクトデジカメは、レンズの交換ができないためズームレンズを搭載することで広角から望遠までをカバーする機種がほとんどです、また機種によっては10倍以上の高倍率ズームレンズを搭載するものもあります。また、逆に一部の高画質モデルでは画質重視で非常に高品質な単焦点レンズを搭載したコンパクトデジカメも存在します。
スマホでは、ズームレンズを搭載するとレンズが大きくなりすぎるため、小型化のために単焦点レンズを採用していますが、それでも単焦点レンズだけあって非常に良く写ります、ただしピンチアウトでズームをした場合はデジタルズームによる仮想的なズームとなるため大きく画質が低下していきます。(スマホのズームについてはこちら)
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
被写界深度 | 浅くできる | 浅くできる | 非常に深い | 非常に深い |
被写界深度については、こちらを参考にしてほしいのですが
被写体にピントが合っていて、背景が大きくぼけるような写真は、デジタル一眼レフやミラーレスでなければ難しく、たとえ1型を搭載した高級コンデジでも、背景が溶けるような大きなぼけを作りたいという場合は、やや物足りなく感じると思います
逆に、望遠でも深い被写界で撮影したい場合はなどでは、コンパクトデジタルカメラのほうが撮影しやすい
一部のコンパクトデジカメやスマホアプリでは、ソフト的に背景をぼかすこともできますが、あくまであとからのレタッチのためシーンによっては不自然さが出てしまう場合もあります
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
ノイズの量 | 非常に少ない〜少ない | 非常に少ない〜少ない | やや少ない〜多い | 多い〜非常に多い |
デジタル一眼レフは大きなセンサーを積んでいるため、高感度時の画質が良好になります。
ミラーレスも、2018年現在、当初展開されていた小型センサーを利用していた機種は新製品が出ない状態なので、現役のものはすべて大型のセンサーで高画質なものと言えます。
2017年追加:コンパクトデジカメはここ数年比較的大型な1型のセンサを搭載し高画質を売りにした高級コンパクトデジカメが増えているので、やや少ないを追加しました。
スマホは大きめのセンサーをつんでる機種でも、コンパクトデジカメ相当の大きさなのでノイズ面ではどうしても不利となります。
こちらでも違いを扱ってるので参考にご覧ください
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
ファインダー | 光学ファインダー (液晶モニター) |
EVF (液晶モニター) |
液晶モニター (EVF) |
液晶モニター |
デジタル一眼レフ
光学的にファインダー表示するため、一切のタイムラグがなので動きのある物などを撮影するときに非常に撮影しやすい
ファインダーの品質にもよるが、ピントが合っているかを判断しやすいのも特徴です
必ずのぞいて見ないといけないので、ローアングルはハイアングルでは苦しい体勢になることも
一部の機種では、液晶モニターモードを備えています、液晶モニターモードでは、AF時に一時ブラックアウトするか(専用のAFセンサーに光を取り込むため)コントラスト検出式になりAF速度が遅くなると言う制限があります
ミラーレス
ほとんどの機種がEVFを備えているので、炎天下などでもファインダーをしっかり見ることができます。一眼レフと同様にファインダーを覗く形となり顔と両腕の3点でカメラを保持するためぶれにくい、また光学式と異なりファインダー内のモニター表示を見るため、太陽を入れた構図などを決める際に強い光で目を傷めない傷めないというのは非常に大きなメリットです。
デメリットは、どうしても処理時間やEVFのリフレッシュレートの関係で表示タイムラグは完全には避けきれないのがデメリットとしてあげられます。ただ、初期のミラーレスと異なり最近のものは気にならないレベルにまでタイムラグは小さくなっています。
モニターでの撮影ももちろん可能です。
コンパクトデジカメ
ほとんどの機種が、液晶モニターをファインダー代わりに使います、炎天下など、極端に周りが明るいとやや見にくくなることや、動きのある物を撮影する場合には、表示タイムラグが気になる場合もあります
離れた場所からも確認しやすいため、ローアングルやハイアングルでの撮影がしやすい
高級コンパクトとなると、ミラーレス同様にEVFを備える機種もあります。
スマホ
液晶モニターなので、メリットデメリット共にコンパクトデジカメと同じです。
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
動画機能 | 動画機能をもつ 機種が主流 |
動画撮影可能 | 動画撮影可能 | 動画撮影可能 |
デジタル一眼レフ(2016年修正)
以前のデジタル一眼レフでの動画機能は、極めて限定的なものでしたが、最近は動画機能を備えるものが主流となり、4K動画が撮れたり外部マイクが使える機種まであります。
ミラーレス
ミラーレスは、ほぼすべて動画撮影可能です、中にはパナソニックのGHシリーズなど動画撮影で高い評判があるミラーレスも存在しています。
コンパクトデジカメ
機種によって機能差はありますが、どの機種でもほぼ動画に対応しています、強力な動画機能を持つ物になると、4K動画や超スロー映像がとれる機種もあります。
スマホ
こちらも、コンパクトデジカメ同様に手軽に動画撮影が可能です。
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
撮影時の音 | 必ずシャッターの音がする 静音モードを持つ機種もある |
シャッター動作音が多少する 設定により無音化できる機種もある |
設定によってほぼ無音化 通常は電子音 |
電子音 |
デジタル一眼レフ
ミラーを跳ね上げてシャッターを開くという、機械的な動作が必ずあるので、大きなシャッター音がします、この音が、撮影してるという感覚や、撮影の楽しさを出すこともありシャッター音にこだわりを持つ人も非常に多い
実際の音で電子音とは違うので、やはり撮っていてもすごく撮影に乗れるのは確かですが、子供の音楽の発表会など、シャッター音が非常に気になるシーンもあるのも事実で、そのようなシーンに対応するため一部の機種では、静音撮影モードというモードが用意されています。ただ、無音とまではいかないので、演奏中の撮影は避けたほうがいいでしょう
ミラーレス
ミラーレスは、フォーカルプレーンシャッターの動作音が多少しますが、一眼レフのような派手な音はしないのが特徴です。また機種によっては電子シャッターに切り替えることで、無音化することも可能なので、撮影音が気になるようなシーンでも、撮影可能になります。
一方で、一眼レフのシャッター音が撮影の手ごたえとして感じる方には少々物足りなく感じる場合もあるかもしれません。
コンパクトデジタルカメラ
電子的にシャッターが切れるのと、機械的なシャッターでもデジタル一眼レフのような大がかりな動作がないため、大きなシャッター音がしない、そのため、普段はシャッターが切れたことを伝えるために電子的にシャッター音を出しています
設定上で、この音は消せるため、音に気をつかうところでも問題なく撮影可能です。
スマホ
アプリによっては無音化できるアプリもあるようですが、標準のカメラアプリでは、iPhone・Androidともに電子音が鳴るようになっているようです
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
撮影時の振動 | 大きな振動が伴う | 若干の振動がある | ない | ない |
デジタル一眼レフ
ミラーショックとよばれる、ミラーを上下にバタバタさせる動作に伴う大きな振動が撮影時にあります。手ごたえと感じられる面もありますが、ミラーショックの影響で三脚を利用しても十分な強度がなければぶれが生じるなど、デジタル一眼レフのデメリットの一つです。
ミラーレス
フォーカルプレーンシャッターの動作に伴う若干の振動はありますが、ミラーショックほどの大きな振動はありません。また電子シャッターモードでは一切振動しません。
コンパクトデジカメ
メカニカルシャッターの動作はあるので、厳密にはあるのかもしれませんが、全く振動しないと言ってしまってもいいです。少なくとも体感できるような振動はありません
スマホ
シャッター動作に伴う振動はありません。
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
大きさ・重さ | 大きい・重い | やや大きい・比較的軽い | 非常に軽い・小さい | 非常に軽い・小さい |
デジタル一眼レフ
どんなに小さい機種でもボディー単体で495g、ここにレンズを取り付けるので600g近くは最低限行ってしまいます、重い方が動かすのに大きなエネルギーがいるため、いったんしっかりと保持すると、ぶれにくくなるのはメリットではあります
ミラーレス
ミラーレスは、ミラー構造がない分構造も一眼レフより簡略化できる点、カメラを薄型にできる点などから、一眼レフと比べれば薄くて軽いカメラになりますが、センサーサイズが大きいため、レンズはそれに対応して大きくなるので、レンズも含めた大きさでは一眼レフよりはちょっと小さいというぐらいになります。
コンパクトデジカメ
極めて小さく軽いので、いつでも気楽に持ち歩けるのが最大のメリットになります
スマホ
大抵いつでも持ち歩いてるので、ちょっと撮しておきたいとかメモ代わりにも使えるなど手軽さでは圧倒的にスマホです。
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
アクセサリーの量 | 非常に豊富 | 非常に豊富 | 少ない | 少ない |
デジタル一眼レフ
交換レンズを筆頭に、フィルター、外部フラッシュ、ストラップなどなど、純正、サードパーティー製など非常に多くのアクセサリーがあり、撮影の必要に応じてそれらを使って撮影の幅を増やす楽しみがあります
ミラーレス
ミラーレスもシステムカメラとしての性格がありますので、豊富なアクセサリーがあり、撮影の必要に応じてそれらを使って撮影の幅を広げることが可能です。
コンパクトデジカメ
カバーやストラップぐらいしか、選べる物はない状態のがほとんどで、一部の高級機に、フィルターやコンバーターレンズなどが用意されてます
スマートフォン
カメラ機能に関するアクセサリーとなると、クリップで挟んでつけるコンバーターレンズぐらいです。
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
ネット連携 | 一手間かかる | 一手間かかる | 一手間かかる | 手軽 |
デジタル一眼レフ・ミラーレス・コンパクトデジカメ
最近はスマホなどに、自動的に写真を転送するなど連携が進んでますが、基本的にPCやスマホやタブレット端末へ一度転送した後にそれらの機材でアップロードなどを行うこととなるので、スマホの手軽さに比べると一手間かかってしまいます。じっくり選別した写真をアップロードという感じのテンポが向いているのかも
スマートフォン
カメラアプリで撮影後、そのままアップロード可能、その際にコメントも入力できるため非常に手軽
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
電池の持ち | 長持ち | 短い | 短い | 短い |
モニター撮影を多用しない限り、一眼レフは基本的にバッテリーが非常に長く持ちます。
理由は比較的単純で、本体が大きい分、大容量のバッテリーを乗せやすい
ファインダーも、モニターやEVFといった電気を使うものではなく、光学式のファインダーを使うため、あまりバッテリーを消費しない構造になっている
という二つの特徴があるため、コンパクトデジカメやミラーレスやスマホのようにモニターやEVFが必ず必要になり、しかもバッテリー容量も少ないものよりもバッテリーが長く持つという特徴があります。
*ミラーレスの中にはバッテリー寿命900枚以上と長い機種も出てきたため、バッテリー面でも同等になったというのも聞きますが、そのミラーレスは一眼レフでいえばD一桁のクラスにあたり、同クラスに位置する一眼レフには敵わないというのが2018年現在の私の考えです。
デジタル一眼レフ | ミラーレス | コンパクトデジカメ | スマートフォン | |
撮影の簡単さ | 簡単 | 簡単 | 簡単 | 簡単 |
一見、デジタル一眼レフは、その大きさと形が本格的なので非常に難しいように思えるかもしれませんが、実際には、コンパクトデジカメと同じく全自動で撮影が可能ですし、入門機や中級機ではシーンモードを持つ物がほとんどです、むしろ、もっとこう撮りたいとか、慣れてきていろんな撮影をしようとすると、コンパクトデジタルカメラの方が、制限が多く難しくなることも多い
難しさという点では、コンパクトもミラーレスもデジタル一眼レフも、ほとんど大差がないと言ってかまわないと思います
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